レポート

見学会レポ「古い木造一戸建てで起こりがちな劣化事象」

見学会レポ「古い木造一戸建てで起こりがちな劣化事象」

こんにちは、戸建て担当の田中です。
今回のイベント会場となった「世田谷北烏山の家」は、築40年の木造一戸建て。
リビタ自らがこの戸建てを買ってリノベーションし、今年の春頃から販売を予定している建物です。

先日1月10日(土)には、これからの企画・工事に先立ち、既存の内装等を解体した状態で「スケルトン見学会」をしました、その様子をレポートします!

 
<PHOTO>当日の様子

「世田谷北烏山の家」は、“木造軸組工法”とよばれる柱や梁で構成される、日本で最も一般的かつストック数の多い工法でつくられていて、“在来工法”ともよばれます。軸組で建物を支えるため、間取りの制限が少なく、「リノベーションの自由度が最も高い一戸建て」ともいえます。

実際にスケルトン現場へ行ってみると、柱などを中心に、約91cm(3尺)という日本古来の寸法で規則的につくられているため、それが手がかりになり、リノベーション後の空間がイメージしやすい特徴もあるのですね。   →木造軸組工法について、詳しくはこちら

 
<PHOTO>BEFORE

 
<PHOTO>スケルトン ※BEFOREと同アングル

さて「世田谷北烏山の家」をスケルトン状態にしてみると、こういった劣化事象が起きていました。本来お見せすると意気消沈のシーンばかりなのですが、見学会にいらした方々には「古い木造一戸建てで起こりがちな劣化事象」として、実際にそれぞれの箇所を見ていただきました。

先に申し上げると、こういった事象は見つけることさえできればなおせるもの。「見つける」ためにこのようなスケルトン状態にしていることがポイントです。


<PHOTO> 漏水からの腐食

これは外壁に面している壁の様子です。外壁に給湯器が取り付いていて、その取り付けの施工不良から長い間雨水等が入り、室内側が腐食していたようです。壁の中に水が入り込むと、綿状の断熱材が濡れてしまい、断熱効果が発揮できなくなってしまうことにもつながります。

 
<PHOTO>浴室廻りの腐食

これは、過去のリビタ現場でもかなりの頻度で起きている事象です。既存の浴室タイルの目地や、浴室内の隙間から断続的に漏水が起きて、木材でできた土台などが腐ってしまう現象です。もはや木の原型をとどめていない様子です。特に古い木造一戸建ての場合には、この事象はあらかじめ予想しておいたよい事象といえるでしょう。

 

 
<PHOTO>白アリによる腐食

これまたショッキングなシーンです。この事象が起きている場所も浴室を中心とした水廻りです。柱がシロアリに食べられ、ウエハースのようなスカスカな状態になっています。

 

 
<PHOTO>雨漏りによるカビ

こちらは2F和室の天井裏の様子。室内の天井を解体したら、なんと白カビが生えていました。。。検査会社の方からも「ここまでの事象は雨漏りが発生してから相当な年月が経過しているだろう」と。ちなみに、この場所はもともと和室になっていて、解体前の天井はこういった状態です。天井裏を覗かない限り、なかなか見つけられない状況ですね。

 
<PHOTO>既存和室

ただ、2Fのもう一部屋の洋室天井は、解体前にも室内側へすでこういった事象が現れていました。この箇所は雨漏りも容易に想像できますね。

 
<PHOTO 既存洋室天井>

いかがでしたか。もちろん解体してみないと、すべての劣化事象がわからないのですが、それ以上にこういった状況をいかに壊す前に予測するか、劣化があることを前提に計画をたてておくかが大事であることがおわかりいただけるかと思います。リビタでは、自社の確認はもちろん行いながら、第三者の専門の建物検査会社さんに建物の調査に入ってもらっていて、今回の見学会では、建物検査会社である日本住宅品質検査センターの代表松田氏より、こういった劣化事象の解説をはじめ、木造でよくある事象について、お話をしていただきました。

  

そして、松田さんにつづきリビタから。建物の劣化事象のほかにも、木造一戸建てをとりまく社会のことや、リノベーションを行うポイントをお話しました。こういったスケルトンにすることは、隠れて見えなかった部分を見ること、つまり「劣化を見つけること」と耐震改修のために「構造の図面を起こすこと」という2つの目的があって、できればこういった状態にすることをおすすめしています。また、リビタ自らが中古戸建てを買ってリノベーションする場合にとどまらず、みなさまが「中古戸建ての物件探しからリノベーションする」ときのポイントについてもお話をしました。

 

早速ですが、All about にも記事がUPされてますので、合わせてぜひご覧ください。

◇All About   掲載記事は こちら

 

「世田谷北烏山の家」は、ここから春に向けて企画・工事が進行します、ぜひお楽しみにお待ちください。
そして次回のイベントは、「国分寺の家」竣工見学会。こういった過程を経て、竣工した住まいをぜひ見にいらしてください。

 

◇「世田谷北烏山の家」     PHOTO Archiveは こちら

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