レポート

土地のおはなし

土地のおはなし

こんにちは。リビタの西川です。

戸建とマンションの違いは、広さや構造や庭などがありますが、なんといっても土地を所有しているところが大きな点です。

本州まるごと地続きになっているわけですから、自己所有の土地の周りには必ずご近所さんの土地が接していることになり、土地と土地の境は境界として区画されています。

昔から代々受け継がれてきた土地は、「向こうの松の木から、こちらの畑までがうちの土地」と行ったようなざっくりとした区切りになっているところもあるようですが、 
石神井台のような市街化区域では、もちろん登記された土地の上でそれぞれの認識のもと管理運用されていることがほとんどです。

しかし必ずしも登記面積と現況が同じであるとは限りません。 
古くからある土地は測量技術が現代ほど発達していなかったため、縄伸びや縄縮みといって現況と異なる場合もよくあります。 
また土地を分割したり、相続などで以前からの状況を知らない人が所有していたりと土地をとりまく環境はさまざまです。

土地の境界を知る術としては、法務局に保管されている「地積測量図」や、
実際の土地の境界に打ち付けてある境界標識で確認することができます。

【野毛の境界杭】

 

【地積測量図】

石神井プロジェクトの土地は、隣地との境界が未確定です。
境界未確定の土地の売買取引が行われる際には、売主が境界確定をさせてから買主に引き渡すのが一般的ですが、今回の取引では境界未確定での引渡しが売主側の条件でした。

買主はその土地ではあくまで新参者になるわけですから、以前からそこに住んで近隣との状況を良く知っている売主が境界確定をする方がスムーズなのですが、今回は社宅として利用されていたため以前の入居者と売却担当者が異なっているためかこのような条件で取得することになりました。

測量は土地家屋調査士に委託します。 
本地に隣接しているのは6区画ありますので、調査士と一緒にご近所を回り、
測量を進めさせていただくことになりました。

既存の境界標がある点から起算して、登記簿面積と比べながら測量していきます。

【測量図】

本地の周り東西南北の四方にはブロック塀があります。

【航空写真】

 

測量の結果、登記簿と現況の土地面積の差異はほとんどありませんので、
塀の周辺のどの位置が境界になるのかがポイントとなります。
一般的に境界線上に塀がひとつしかない場合、塀の内側または外側に境界があり
塀はAかBどちらかの所有になっている場合と、塀の中心に境界があり塀はAとBで共有している
場合などがあります。

北側の塀は四方のなかでも最も古そうです。

【北側の塀】
塀の下を掘ると、「+」と表記されたコンクリートの杭が塀の真ん中にあります。
このような場合は塀の中心に境界があり、塀は共有している場合がほとんどです。

既存の杭などの標識と測量結果を照らし合わせながら、隣地の方に塀が立てられた過去の経緯などをお伺いしながら、境界位置を確定していきます。

戸建を購入する際には切っても切り離せない「境界」というご近所関係。 
今回は買主のリビタが境界確定をしましたが、確定に至るまでの道のりはその土地によってそれぞれです。 
土地家屋調査士への委託費用も発生しますし、リスクや労力が伴いますので個人の方には難易度が高い取引です。 
売買契約の前に売主に交渉ができるようでしたら購入後のトラブルを避けるためにも、売主による境界確定後に引渡しを受けることをおすすめします。

境界確定は労力のかかる作業ではありますが、土地の売買や相続などが行われる限り、いつかは誰かがやらなければならない作業でもあります。 
一度境界が確定できれば近隣の方も将来第三者に土地を引き継ぐ際に、境界についても継承できることになります。 
戸建リノベーションプロジェクトは、短いご近所付き合いの過程でその土地にリビタが介することによって、 
地域に眠っている課題をひも解くお手伝いのできる絶好の機会でもあります。 
管理会社に管理委託をしているマンションとは一味違う戸建ならではのご近所関係ですが、 
地域にとっても意義のあることで、大切な任務を担っている気分です!

次回は私道についても詳しくご説明いたします。 
それでは。

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