HOWS Renovation Lab.のものづくり
ものづくりの考え方
HOWSではこれまで住宅はもちろん、タイルやテキスタイルなどのプロダクトも作ってきました。これまでを少し振り返り、私たちがものづくりで大切にしていきたいことを改めて考えてみると、「作る楽しみ 使う楽しみ 直す楽しみ」というキーワードが浮かんできました。ここでは「使う楽しみ」について考えてみようと思います。
常滑でつくった「タイル」
昨年、焼き物の産地常滑の作り手と共にタイルを作りました。壁が食器のような触感であれば、より親しみをもって道具を使うように積極的に建物に触れることができるのではないか。そのために、土の素地感が残る常滑焼の特徴を生かしたタイルをつくってみました。
アイデアが生まれた瞬間
先日このタイルをある方に紹介していると
「和菓子を乗せる小皿にもいいかもね。」
とアイデアをもらいました。
つくった時は、焼き物の特徴を持ったタイル、つまり建材を目指していました。しかしタイルに焼き物の質感があり、かつ貼る前の一つ一つバラバラの状態で手に取ることで、これを食器として使うアイデアが生まれました。
見立て方で広がるモノの使い方
一つのアイデアとして「建材」であるタイルを「食器」と見立てました。一般的なツルっとした水回りに使うタイルではこの発想は生まれなかったのではないかと思います。
あるモノを違うモノに見立てるにはそれを許容する何かが必要になるのではないかと思います。このタイルの場合、その何かとは「焼き物としての触感」だったのではと考えます。
あるモノとして完成された状態として受け取るだけではなく、何かに変容したり拡張したりすることを想像してみる、つまり見立てにより変化する状態をものづくりの完成とすることでそれを「使う楽しみ」が生まれるのではないかと考えます。
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やわらかな光と質感がめぐる住まい
深沢の家
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