住まいをつくる過程 既存擁壁(ようへき)の調査
住まいをつくる過程 既存擁壁(ようへき)の調査
リビタのHOWS Renovation(ハウスリノベーション)が
手掛ける現在進行中のプロジェクト「(仮称)武蔵小金井の家」では
竣工に先行してプロジェクトに取り込んでいる過程と
住まいが変わりゆく様子を紹介させて頂きます。
人気のある中央線沿線、都心へのアクセスも良い武蔵小金井駅。
武蔵野公園や野川が近くに位置しており、周辺環境は自然にも恵まれた立地。
物件から見える眺望と戸建てならではの広々とした庭も。公開は秋頃を予定しています。
[野川 土手にて]
家のことに加え、周辺環境を丁寧に読み解き、光や風を繊細に住まいに取り込むことに重きを置く。
また部屋をつくるために分断してしまうような壁を立てるのではなく、
建具などを利用して空間に可能性を持たせ場を与えることをコンセプトにする
Camp Design inc.の藤田雄介氏と共に「(仮称)武蔵小金井の家」プロジェクトは進んでおります。
第二回目のレポートは既存擁壁の安全性の調査。
木造中古戸建て、築何十年というだけでなんとなく
建物の安全性について不安に思う部分があるかもしれません。
やはり、蓋を開けてみるとわかる事もたくさんあります。
たとえば
「シロアリ発見!」
「漏水している!」
「基礎に鉄筋が入ってない!」
など。
けれども耐震改修工事を始め、手を加えることで安全性能を向上することができるのが
木造戸建、最大の魅力でもあります。
まずは現在の状態を把握すべく、リノベーション工事の前に調査を行います。
項目は建物、地盤、擁壁、基礎など。さまざまなものがあります。
今回は擁壁調査時の様子をお届けします。
実は見落としがちな建物以外の建物を支える地盤や擁壁などの土地のことについて。
取り巻く環境すべてが住まいのあらゆることに影響するので要チェックです。
まずはじめに擁壁(ようへき)とは。
街を歩いていると坂道、下り道に出会います。
そのような高低差のある土地に建物を建てる場合、
土を切り盛りしてその土砂が崩れるのを防ぐためにつくられた大きな壁のこと。
それでは調査開始!
まず初めにどのくらいの高さなのか、水平が取れているのかなど
見落とし箇所が無いよう周辺環境の隅々まで目で見て回ります。
実際にどのように調査をしているかというと、
こんなコンパクトな機器を使っています。
この機器でコンクリートの中に鉄筋が入っているのかレントゲンのように確認。
縦、横の両方向をチェック。
そしてなんと!その場で結果を見ることが出来ます。
きれいに等間隔に鉄筋が入っているのが確認できました。
そして次はコンクリート強度の確認。
また見たことのないマシーンが!その名もシュミットハンマー。
オレンジのプレートに開いた丸い穴にハンマーを打ち込み、反発力を測定。
コンクリートの中身はセメント、モルタル、砂利、鉄筋。様々なものでつくられています。
そのような理由から箇所によって反発力が異なるため、20箇所検査を行い、平均を出します。
また、日射量によりコンクリ―トの強度も変わります。なので全方角に擁壁がある場合、東西南北それぞれチェック!
そして最後は擁壁のコンクリート厚について。
コンクリートがどのくらいの厚さがあるのか、土を掘って確認します。
今回のように築30年以上の戸建ての場合、無許可でつくられている擁壁(ようへき)もたくさんあります。
そのような時には第三者機関に調査に入ってもらい、劣化状況や現状確認を実施しています。
それでは次回、「構造」へつづく。
Report1はこちら
☞住まいをつくる過程 設計打ち合わせ
Camp Design inc.
藤田雄介/YUSUKE FUJITA
[ 過去事例 ]
花畑団地27号棟プロジェクト
☞http://www.camp-archi.com/archives/8
芦花公園の住宅
☞http://www.camp-archi.com/archives/865
さらにご覧になりたい方はこちら
☞http://www.camp-archi.com/
[野川にて]
"いつかの風景"がある暮らし