レポート

『暮らし』のヒントを探しに~岡山県西粟倉村 視察レポート~ Vol.2

『暮らし』のヒントを探しに~岡山県西粟倉村 視察レポート~ Vol.2

Vol.2 森から家へ。木材が、私たちの手元に届くまで

Vol.1でご紹介した岡山県・西粟倉村の森。丁寧に手をかけて育てられた森から生まれる木材が、どのように活用されているのか。どんな商品に生まれ変わっているのかを、今回ご紹介します。

▼vol.1 美しい森 はこちら
http://domain-rbt-kd01.sakura.ne.jp/hows-renovation.com/report/nishiawakura_01/

▼vol.3 移住し、チャレンジする人々。西粟倉で感じた「暮らし」のヒントとは はこちら
http://domain-rbt-kd01.sakura.ne.jp/hows-renovation.com/report/nishiawakura_03/

まずは製材!
山から運んできた丸太状態の木が、一旦、広い集材所に集められています。
春、山の萌木色がとてもきれいですね!

丸太の断面です。直径30cmほど、樹齢50年くらいです。
節がありますね。枝が生えていたところです。木がまっすぐ育つよう枝を落としていきますが、枝が太く育つ前、若いうちに枝を落とすことで、節が小さくきれいな木材になるそうです。丁寧に、細やかに手入れをすることで、価値があがっていくのですね。

カナダから来たダニエルさんです。西粟倉村への移住者のひとりです。

ダニエルさんは西粟倉で薪づくりの仕事をしています。

大量の薪!この薪を使って、西粟倉村ではバイオマス発電が行われています。(vol.3で少しご紹介します)

こちらは(株)西粟倉・森の学校の工場。フローリング類はここで加工され、出荷されていきます。大きな工場ですね!もともとは某大手文具メーカーのノート工場だったそうです。

フローリング用に製材したものを乾燥させています。木は、生の状態が柔らかく、乾燥することで強くなります。この状態ではまだ生に近く柔らかい状態。しっとりとした手触りです。

西粟倉の木材は、「FSC認証材」として認められています。FSC認証材とは、森林の管理伐採が環境や地域社会に配慮して行われていることを認証機関が評価し、認証されたもの。つまり、vol.1でご紹介したような西粟倉村の取り組みが、森や地域社会にとってよい循環であることが社会的に認められたということです。
地球規模の環境問題となっている森林減少・利益重視の無計画な伐採。そうした問題への対策として、こうした制度が運用されています。FSC認証材を使うことが、結果的に社会の良い循環を作っていく、という仕組みです。

認証材として出荷されていくもの。タグが付いて管理されています。

フローリング材を作る工程を見学しました。
部位によっては節がでるため、補修しています。肌や衣服が触れるものなので、引っかかったり刺さったりしないよう、なめらかに整えます。

この工程は女性が担当しています。きめ細やかな作業は女性の方が得意です。

補修用の部材です。白っぽいものと赤っぽいもの。色味が似ているものを使います。

工場の隅には、たくさんの端材たち。いろいろな形のものがあります。

基本的には廃棄したり、燃料にしてしまうことが多いのですが、ここからも何か生み出せるかも!とワクワクしてしまいました。

(株)西粟倉・森の学校は、通常の木材出荷のほか、西粟倉の木材を流通させるための商品開発もしています。これまでは捨てられてしまったり、チップになったりするしか役割がなかったものに、新たに役割を持たせて、活用しているのです。いくつかご紹介しますね。

こちらは「ヒトテマキット

パチッと型からはずして、けずって、みがいて。オリジナルのカトラリーを作れます。
日々暮らしていると気づくことも少ないですが、イチからものをつくるということは、とても大変なこと。ちょっと危なかったり、道具が必要だったり、力や人手が必要だったり。素敵なデザインを生み出すことも、素人では難しい。それでも、作り上げた手づくりのものは、あたたかみが感じられて、思い入れが宿るもの。

このヒトテマキットは、難しいところまでは準備してくれて、あとはヒトテマ加えるだけの状態になっています。日常の中でほんのひととき、「つくる」ことに時間をつかい、自分と向き合う。一人でじっくり、または家族や友人とご一緒に。そして出来上がったカトラリーで、食事をする。そんな体験ができるキットです。

材料は、西粟倉のヒノキの間伐材から建材をつくった時に出る端材。端材を活用することで、森の恵みを無駄にせず、流通させることで森へ還元させることにつながっています。


デザートスプーン、デザートフォークのほか、まめ皿や箸、えんぴつなどバリエーションも豊富です。

つづいて「ユカハリフローリング ・ ユカハリタイル

今はプリント技術の発達から、まるで本物のようなプリントのフローリングも増えていますが、無垢材の床はやっぱり気持ちいい。ふれた時のあたたかみ、やわらかさ。木のにおい。そんな心地よさを、気軽に暮らしに取り入れられる。たとえ賃貸の家でも、このユカハリタイルを張ることで、憧れの無垢の床が実現します。

◎詳しくはこちらから
みんなの材木屋

ほかにも西粟倉・森の学校では企業とコラボレーションして商品を作ったり、新しい商品づくりも着々と進められているようです。丁寧に手をかけて森を育て、愛着のある木材を無駄にすることなく利活用してくことを模索しています。

まずは、①地域の資源を地元で消費すること。地域に還元する仕組みを作っていくこと。 そして、②遠くへ届けるときにはダイレクトに消費者に届けること。
それによって、顔が見えることで感じられるお金だけじゃない豊かさを感じられたり(消費者も、生産者も。)、中間マージンがなく生産者にきちんとお金が入り、地元に仕事が生まれるという良い循環が生まれたり。また、今ある資源を使って、これまでにない使い方を模索していくこともやりやすくなります。

ある資源を活用して、新しい価値や豊かさを生み出していくこと。
リノベとの共通点があると感じます。

私たちリビタもこれから一緒に何かできないかな、とワクワクしています。

そのワクワクの第1弾、一緒にワークショップを開催します!

HOWS DIY Lab.
6/25(土) 10:00~17:00 @日吉本町の家 ※おかげさまで終了いたしました
イベント詳細・お申し込みはこちらから

ヒトテマキットやユカハリフローリング体験をご用意しています。
ぜひご来場ください!

西粟倉の事例をもとにお届けしてきたレポート、「『暮らし』のヒントを探しに」。
次回は最終回。
森に囲まれた西粟倉村に移住し”チャレンジ”する人々をご紹介します!

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▼vol.3 移住し、チャレンジする人々。西粟倉で感じた「暮らし」のヒントとは はこちら
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