ヒント

つくる収納_靴の収納スペース編

つくる収納_靴の収納スペース編

 

HOWS Renovationの戸建ては、手に入れた時が完成品ではなく、住まい手が自分の暮らしに合わせて描き、つくっていける余白のある住まいを提案しています。

必要なのは、ものや機能の価値と意味を考え、住まい手自らが編集者になること。

愛着を持って手を加えながら育てていくことで、家は成熟したものに近づいていきます。

 

とはいえ、どうしたらいいんだろう…とイメージがわかないこともあると思います。

そこでこのシリーズでは、これまでのHOWS Renovationの住まい手たちの事例と、参考工事費をご紹介していきます。個性豊かでセンス良くお住まいの事例を見ているだけで、きっとわくわくしますよ。

 

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今回は、「靴の収納スペース」編。

毎日家族が行き交うだけでなく、お客様をお迎えする玄関まわり。

アートや写真、思い出の品々を飾ったりと、その家族の趣味や好みを描きやすい場所でもありますよね。どんな雰囲気にしたいか、どんなものを置きたいかのイメージも膨らませながら見てみてくださいね。

 

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#01 井の頭の家

ご夫婦とお子様お2人、4人家族でお住いの「井の頭の家」。

壁面に靴用の可動棚を設置し、目隠し用のカーテンを引いています。

日常生活の中で揺れが柔らかく、季節やトレンドにより色柄を変更しやすい利点もありますね。

 

Before
 

 

After
 

 

お住まいのW様談

『無機質なコンクリートのシーンに変化を加えたいと思い、天井にはスポットライトを増設し、ヴィンテージの家具を置き、サックスブルーのカーテンで明るさと軽やかさを出しました。これから絵を飾ったりしていきたいですね。自分たちで考えながら、丁寧につくり上げていくことで、より愛着のある空間になりました。』

 

参考工事費

■ 可動棚設置: 35万円程度/幅600mm×6段

■ カーテン、レール設置: 15万円程度/5m

 

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☞お住まいの様子を取材しました。

 「お宅拝見~光降り注ぐ空間と森の別荘のような居心地~

 

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#02 つつじヶ丘の家

シューズボックスを造作した「つつじヶ丘の家」。
ご夫婦とお子様2人の4人家族で、このシューズボックスの他に玄関収納として置き家具も置いていらっしゃいました。
玄関扉の意匠とあわせることで統一感が出ていますね。
通気性のよいルーバー扉は湿気等も籠りにくく、靴類の収納におすすめです。

 

Before
Sorry, No Image…

 

After
 

 

参考工事費
シューズボックス造作:35~45万円
(壁造作、折れ戸、可動棚)

 

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☞お住まいの様子を取材しました。
住まい手訪問!「つつじヶ丘の家」 ~窓から旅する暮らし~

 

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#03 西荻窪の家

ご夫婦とお子様お一人の3人家族でお住まいの「西荻窪の家」。
壁面に足場板を取り付け、オープンなシューズラックを設置しました。
オープンだからでしょうか、圧迫感がなく、自転車が置かれていても十分な広さがあると感じます。
使い込まれた板材とスチール製の棚受けは雰囲気がありますね。

 

Before
 

 

After

 

お住まいのS様談
『今回の家づくりを通して自分たちでできることがたくさんあることも分かったし、まず自分たちで「どうしようか?」と考えることが身に付いたように思います。自分たちで考えて、必要だと思ったものを選んでいくプロセスを経験したことで、家がちゃんと自分たちのものになっていっているという感覚がありますね。』

 

参考工事費
足場板+棚受け:10~15万円
(幅2700mm×奥行300mm、棚板3段)

 

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☞お住まいの様子を取材しました。
お宅拝見~オーダーメイドと既製品~

 

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#04 石神井台の家

ご夫婦とお子様お一人、3人でお住いの「石神井台の家」。
玄関土間に置き型のラックを設置して、シューズラックとしてお使いです。
お好みのデザインのものを見つけたら設置するだけの手軽な方法です。

 

Before

 

After

 

お住いのH様談
『玄関が広くて、入ってすぐのところにキッチンがあって、キッチンの背面は水まわり。暮らしやすそうな動線だなと思いました。1階にLDKがある家がよかったのです。以前、2階建ての一戸建てに住んでいたのですが、リビングが2階で、買ってきた食材を運ぶのが重くて、使い勝手が良くなかったため、家事効率のよさそうな動線には惹かれました。』

 

参考工事費
ラック(既製品家具):5千円から3万円程度

 

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☞お住まいの様子を取材しました。
お宅拝見~吹き抜けの寝室と1.5階の博物館~

 

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4つの事例をご紹介しました。
ものを見せるか・見せないかで、雰囲気も変わりますね。
どれくらいの余白スペースが残っているか、家族構成(お子さんの年齢など)、必要な収納量、その他諸々…いろいろな条件があるなかで、自分たちが使いやすい収納を描いてみてくださいね。

 

もちろん、長く住む中で変えていくことも可能だということもお忘れなく。
家族構成やライフスタイルが変われば、「こうした方がいいかも」と思えてくるもの。変化させることで、フィットした住まいに変えていくこともできるのです。
大切な家だからこそ、ぜひ「今」だけでなく「これから」の住まい方に合わせて、手を加えて愛着ある住まいに育てていくのはいかがでしょうか?

 

※ご紹介した事例は一例であり、仕様や諸条件により同様の施工が難しい場合や、参考金額と乖離がある場合がありますのでご了承ください。

 

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■ Recommend

TOOLBOX   https://www.r-toolbox.jp/

住まいに関わる素材やパーツ、職人による工事サービスを提供するウェブショップ。
家づくりのヒントがたくさん詰まったウェブサイトは、見ているだけでうずうずするはず。

 

 

■ HOWS Renovation Introduction

https://hows-renovation.com/about/message/

 

『家は住まい手が編み上げるもの。暮らしが凝縮されて、家族の日常がかたちになるもの。

家は手に入れたときが完成品ではなく、未熟なもの。

必要なものは家族の変化とともに日々遷ろう。

豊かな可能性ある空間と、経年により風合いを増し長持ちするハコがあれば、

住まい手がその時々で求めるものを少しづつ加えいくことができる。』

 

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text: 立花千代子(ReBITA)

photo: 古末拓也、吉田誠

illustration: しゅんしゅん