余白のレイアウト術_キッチンvol.2『見た目編』
余白のレイアウト術_キッチンvol.2『見た目編』
「見た目の良いレイアウト」を実現するには
余白のレイアウト術/キッチンvol.1『使いやすさ編』に続き『見た目編』を、
石神井台の家キッチン・ダイニング雑貨コーディネート担当のミゾグチより
ご紹介させていただきます。
使いやすさに配慮した上で考えるのは、
冒頭でお話した「雑多に見えてしまう、隠したいものまで出てしまう」という悩みを解決する
「見た目のよいレイアウト」についてです。こちらの基本は以下のようになります。
1.素材・デザインごとにまとめる
2.大きさごとにまとめる
3.柄の干渉帯は白
4.重いものは下・軽いものは上
5.高さ・ボリュームを抑える
6.隠したいものは揃いのかごに
です。
こちらも書いてみるととてもシンプルなことですね。具体的な例でご紹介してみましょう。
1.素材・デザインごとにまとめる
2.大きさごとにまとめる
3.柄の干渉帯は白
□ 並べ方に「魅せるテクニック」を
石神井台の家のオープンな食器棚、実はレイアウトに法則があります。
和食器、業務用食器、作家ものの食器・・と食器をデザインごとに分類、
ガラスのコップ類は端にまとめて置いてあります。
さらに食器同士の並びは、
柄モノの多い作家ものの食器と和食器のデザイン干渉を緩和すべく
白い業務用食器を間に挟んだレイアウトです。
また同じ和食器でも小さいものは上段、大鉢類は下段、中間サイズのものは中段、と大きさごとに分類。
不規則に置くと雑多になるオープン棚もこのようにレイアウトすることで、
オープン棚特有の賑やかさはあるものの、雑多な印象を最小限に抑えることができます。
4.重いものは下・軽いものは上
前述した和食器のレイアウト、小さいものは上段、大鉢類は下段・・
これが逆だとどこか気持ち悪くありませんか。
大きいもの・重いものは下、小さいもの・軽いものは上にレイアウトすると
視覚的にも心理的にも心地よくまとまります。
使い勝手上も、片手で持ち上げるような軽いものは上、
両手で持ち上げるような重いものは下でないと力が入りにくいですし、
重いものは落とす・倒れる、のリスクがあるので、
これは実用面でも理にかなったレイアウトといえます。
5.高さ・ボリュームを抑える
4.と同様に心地よい高さ・ボリュームというものがあります。
前述の、調味料置き場をあえて2箇所に分けたお話、
もし卓上に全ての調味料が置かれていたらどうでしょうか。
高さのある醤油瓶や料理酒なども含め、
現状置かれている倍以上の調味料がキッチンカウンター上に置かれるその状況は、
それだけで全体を雑多な印象にしてしまいますよね。
このように高さ・ボリュームを抑えることも、雑多な印象を軽減しすっきり見せることに効果的です。
□高さを抑える
5.隠したいものは揃いのかごに
「開いた使い方」のキッチンでは、お気に入りの食器や道具が常に目に触れ楽しい気分になれますし、
扉を開けるワンアクションが減るので作業が効率的になります。
とはいえこの「開いた使い方」、何も全てを見せなければいけないわけではありません。
最小限の隠したいものはかごなどの収納にしっかり仕舞いましょう。
今回はオープン棚の一角に御用かごという昔ながらの大きなかごを2つ置き、
中にサランラップやパスタ、トマト缶等どうしても雑多になるストックを収納しています。
こうして、見せると隠す、のバランスを程よくとっていくことが
「見た目のよいレイアウト」を仕上げてくれます。
□ かごを効果的に使う
『ものを選ぶ』こと
□ 見せることを意識したゴミ箱
最後に、ここまで小さなレイアウトテクニックをいくつかご紹介しましたが、
見た目をよくする最終的な決め手はやはり「物」自体です。
例えば石神井台、
こちらは見通しの利くキッチン・ダイニングスペースでありながら
キッチンセットの足元がオープンな空間だったため、
ここに置かれるゴミ箱のような一見裏方のアイテムもダイニング側からよく見える状態でした。
そのため探しに探して、特別に大きな、それでいて佇まいのよいゴミ箱を選びました。
また汚れた布巾を一時置きするいわば洗濯かごの役目を果たす入れ物、
こちらも置くだけで映えるような大きなガラス瓶にしました。
見えることを意識し、使い勝手はもちろんのこと、見た目にもこだわることの積み重ねが、
最終的にオープンな空間を心地よくまとめてくれる・・そう思います。
選ぶ「物」のポイントは佇まいの美しいもの、
空間のボリュームにあったもの、
素材に統一感のあるもの、
そして何より好きと思えるもの。
・・そういったものを、少し時間がかかってもいいのでじっくり吟味しながら集めてみてください。
家は最初が完成ではなく、少しずつ育てていくものですから。 (ミゾグチ)