コンセプトは「自ら手を入れるための余白」
たとえば、個室が必要になったときは壁を立てて部屋をつくればいい
本が増えたら本棚を壁に取付ければいい
趣味が変われば、壁を塗ればいい。
家族が長い時間を過ごす家は、あらかじめ与えられたモノとサイズに体・生活を合わせるのではなく、
必要な機能は変化するものだから、住みながら徐々に考えていければいいのです。
あまり知られていないかもしれないけれど、大多数の家における壁の中は中空になっていて、
例えば棚を取付けたり、大きな絵を飾ったり、TVを壁掛けにしたりするためには位置が限定されてしまうものです。
「どうしてもこの場所につけたい」というときには、壁の一部を壊して、中に下地をつくり、また壁を復旧し壁紙を一面貼り替える、ということが
一般的です。なんだかもったいないし、お金だってかかります。
「世田谷野毛の家」の壁は、ほぼすべてが“構造用合板”という材料でできていて、どこでもビスが効く壁になっています。
それによって、将来にわたって機能を加えていくことが容易であり、住まい手自らが積極的に手を加える・暮らしを楽しむことが可能です。
たとえば、リビングの一部に子供部屋をつくったら。
上のイラストでは、壁の一部にガラス入りの小窓をつけることによって光や風・視線が通り抜ける工夫をしています。
□キッチン
足元の空いたスペースや、背面の食器棚・作業台のしつらえは、「使いやすさ」や「見た目」によって自分らしいキッチンを編集することが可能です。
「自ら手を入れる暮らし」で詳しくご紹介しております。
□玄関土間
吹抜け階段と共に広いボリュームを確保。
自転車・スポーツ用品・ベビーカーなど、なんでも受け入れてくれる大きな土間です。
浴室ごしに、玄関まで光が届きます。
□主寝室
この家で唯一既存を生かしたコーナーサッシからは、四季の緑が眺められます。
約7.5畳ある主寝室に、寝る場所+こもれる書斎をつくったら。
□空間ボリュームを生かした小屋裏収納。
□浴室&デッキ
浴室に面してプライベート感のあるデッキを新設しました。
休日の昼間に、お風呂につかりながら読書もいいですね。ガラス面には、遮光カーテンもついています。
□朝日が入る洗面室