HOWS Renovationについて

戸建てリノベーションの可能性

築20年を超えると実質価値がゼロとなり、滅失住宅の平均築後年数が27年といわれる、現在の日本の木造住宅。

高度経済成長を経て、いつしか住まいは「つくるもの」から「買うもの」へと変化し、供給者によって与えられる100%の完成度を求められる商品へと変貌していきました。大量のものを効率的に生産することを重視してつくられた家は、メンテナンスフリーを謳う設備機器や素材が多用され、住まい手に渡ったあと育てられることもなく、時間の経過とともに新しさを失い、永く保たれるべき大切な価値を急激に落とす結果をも招いてしまいました。

ストック型社会への転機を迎える今、住まいのあり方も大きな転換期を迎えています。

ストックから見る課題/住宅の建て方別ストック構成比(東京都)
東京都内の住宅の数(ストック)、
戸建てとマンション多いのはどっち?

マンションストックが約362万戸に対して、戸建てが約165万戸。やはり想像の通りマンションのほうが戸建てよりも多く、2倍を超えるストックがあります。しかしながら、マンションは賃貸が多くを占めるため、持家に絞ると約133万戸。一方、戸建ての持家ストックは約155万戸と、マンションよりも20万戸以上多く存在します。

持家ストックは、戸建てがマンションの約1.5

中古の売買取引数もストック量に応じて
戸建ての方がマンションよりも多い?

マンションにおいてはストック約133万戸に対して、年間約17,000件の売買取引がされています。一方、戸建ての取引数は、ストック約155万戸に対し、年間約3,600件。世界的に見るとマンションにおいてもまだまだ少ないのが現状ですが、我が国における中古戸建て流通量は異常とも言えるほどの低水準です。

中古の売買取引件数は、戸建てがマンションの約1/5

なぜ、こんなにも中古戸建ての売買流通は少ない?

東京に限らずこれまで日本の戸建て住宅は、平均27年で壊されてきました。そのため、建物付きの中古戸建ての取引がされず、多くは建物を壊した上で更地の土地として売買されたり、建物が残っていてもその価値を評価せず解体を前提とした「古家付き土地」として売買されているのが現状です。

戸建て住宅は
20年でほぼ、価値ゼロ

27年で壊され、更地の土地へ

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戸建て住宅の中には永く大切に住み継がれている建物もあります。

例えば京都の町屋など、100年以上もその価値を損なうことなく、きちんと手を入れながら受け継がれている建物が、日本にも数多く存在しています。
なぜ「一般の戸建て」は、永く住み継がれないのでしょうか?

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エンドユーザー、事業者、行政、それぞれが抱える課題

建物を活用してリノベーションするよりも、壊して新しく建てた方が、安く効率的という考え方が業界内には存在しています。中古流通の現場においては、古い建物付きの取引は、売主側に建物瑕疵の担保責任を負わせないことを目的に、実際には価値の残った多くの建物が壊されているのが現状です。

ストック型住宅市場への転換を実現するための住宅政策が加速

平成24年
「中古住宅・リフォームトータルプラン」策定
中古住宅流通・リフォーム市場の規模を、今後8年間で20兆円まで賠償させる計画が発表されました。

平成25・26年
中古住宅取得に係る税制改正、中古住宅流通・リフォーム市場の拡大・活性化のための特例措置の創設
これまで住宅ローン控除が適用されなかった築20年を超える木造戸建てでも、かし保険に加入し一定の技術基準をクリアする性能を満たすことで、控除の対象となりました。

平成27年
中古住宅市場活性化ラウンドテーブル
約20年で価値がゼロという常識を見直し、リフォームや修繕等がなされた建物には、その内容に応じた建物評価がなされる市場へ変わるべく、様々な検討が行われています。

HOWS Renovationが目指すのは、
愛着をもっと住み継ぐ住まいがあたりまえになること。

そのために、私たちは自ら戸建てリノベの事例をつくり、そこで得たノウハウを生かしたコンサルティング業務を行っています。さらにその実践を通じて、新しいものばかりが重宝される住宅の価値を、住まい手自らも変えていけるよう情報発信メディア「HOWS Renovation Lab.」で知識やアイデア、楽しさをお届けしています。

日本でもっとも多くのストックを有しながら、これまでほとんど手つかずの状態であった中古戸建て住宅。それらの再生を通じて愛着をもって住み継ぐ暮らしの価値を再発見し、ストック型社会にふさわしい、新しい“住まいの常識”をつくり続けることを目指しています。