異素材のジョイントパーツ ヒダクマとのものづくり
完成したテーブルとベンチ
テーブルの天板は別で用意し、それを支える脚と梁の部分をヒダクマで作成しました。脚はサクラ、梁はトチでそれぞれ加工し、それぞれの接合部には3Dプリンターで作成したジョイントパーツを使用しています。木部と樹脂の接合は「ホゾと胴さし」、樹脂同士は「腰掛け蟻継ぎ」の仕口と継手の技術を応用しています。
ベンチは天板も飛騨の広葉樹を使っています。脚と梁に関してはテーブルと同じ仕組みで作りました。
今回作った家具はそれぞれをバラして持ち運びや収納を簡単にできるようにしました。樹脂でできた接合部は木工家具の中で異素材であり、ここを起点に取り外せるのではないかというアフォーダンスを狙っています。
全体的に線がシャープなかっこいい佇まいとなっていると思います。樹脂と木の接合部はかなりのシームレスさを実現しています。また樹脂同士の取り外しは予想を上回るスムーズさになりました。
しかし、いざ組み立て使用してみるとやはり実用するには心もとない強度です。接合部の小ささや部材の細さ、ジョイントパーツに多少の遊びが生まれること、などさまざまな要因で剛接合となりませんでした。
プロジェクトのプロセス
このプロジェクトは3つのフェーズで考えています。
①3Dプリンターで実際製作してみる。
②住空間への展開の可能性を考える。
③実際に実用化しユーザーを増やす。
実際に製作してみること
ヒダクマと共同で取り組むこと、3Dプリンターを使うことについて考えてみます。今回はHOWSスタッフの我々とヒダクマのスタッフで設計から製作まで行いました。ユーザーが直接製作に関われるものづくりであることが今回の特徴の一つです。そして、このようなパーツを作るのに3Dプリンターを使うことで検証を手軽に行うことができます。
今後の展開については次回お話しいたします。
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