空間を仕切る⑤-テキスタイル印刷工場見学-
こんにちは。
戸建事業部のウエノです。
今回はテキスタイルを使った仕切りについての5回目のお話し。
□空間を仕切る ① ② ③ ④
昨年秋から始まったプロジェクトがいよいよ形となりました。
テキスタイルデザイナーの(株)pole-poleと設計事務所のAIDAHO、そしてリビタで
試行錯誤してきたテキスタイルの間仕切りが完成しました。
今回はその製作の現場、テキスタイル印刷工場での様子をお伝えします。
【テキスタイルのプリント】
今回製作するテキスタイルは3つの表面でデザインしています。
・何も印刷しない白い布の部分
・オパール加工し透けた布の部分
・染料で色をつけた布の部分
です。
この3種類の大きさや配置のバランスを変えることで、
役割の異なるテキスタイルの仕切りを作っていきます。
ここでは25mもの長さの印刷台にロールの布を貼り付け、
幅1mほどの型枠で1枚ずつ手でプリントしていきます。
布を台にセットするのも、染料を練り合わせるのも職人の手作業。
準備段階から、見慣れない光景であふれ、期待が大きくなっていきます。
大小の三角形をレイアウトした2つの型枠を使って、
オパール糊と青緑色の染料を順番にプリントしていきます。
プリントの瞬間は動画でお届けします。
リズミカルなハンドプリントの音と、真っ白な布にパターンが生み出される瞬間をお楽しみください。
□オパール糊のプリント
□染料のプリント
【アーカイブ化されるデザイン】
型枠は1度つくると10年ほど保管するものもあるらしく、工場にはものすごい数の型枠が本棚のように仕舞われていました。
その時だけのデザインではなく、向こう10年先も求められるデザインを考えさせられます。
見た目は網戸のようなものですが、意外と重くなかなかの重労働だと想像できます。
【ハンドプリントの世界】
このように型枠を使い、手でプリントすることで、インクジェットでは表現できない
微妙な色の乗り方の強弱もつけることができるそうです。
工場内の気温や湿度も色の乗りに影響するようです。
仕上がりを図面や色番などの文字情報だけではコントロールできないところに職人の技や経験が光るのだと思います。
染料自体も粉を手で調合させ仕上がりの色味に近づけていきます。
我々の知らないプロダクトの世界でも、
基本は人の手によって作られていることを改めて実感しました。
デザインすることと、それを形にすること、
作り手同士の相互理解が深まることによって、
一つの良いものが生まれるのだと思います。
このあと、2つめの工程、熱加工に移ります。
プリントされたテキスタイルは熱を加えることによって、
オパール糊がついた部分は半透明となり、
染料がついた部分は色が布へと定着するようになります。
最後に、1枚のサイズを決め縫製し完成となります。
完成したテキスタイルは荻窪の家に取り付けました。
実際に空間に取り付け、家とテキスタイルと人の関係がどのように変わるのか。
たくさんの人に見ていただき、様々なことを感じていただきたいです。
□テキスタイル工場
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